第13章  医者も、薬も

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しかし、これに対する返事を夜に電話ですると、そこにはいつも彼がいた。 「ごめんね、返事が遅くなって。夕方、ちょっとバタバタしてたから」 「いや、構わないよ。それで、どう? 明日は会えそう?」 「うん。衛、何が食べたい? 私に出来るものなら、何でも作るわよ」 それに彼が、わずかに苦笑した。 「どっかに食べに行かない? なんかこのところ、ずっと香奈に作ってもらってたし」 以前から時々思っていたのだが、こういう細かい事に気付くのは 恐らく、彼のバツの経験が成し得る業なのではなかろうか。 だが、いずれにしても、これは、私にはとてもありがたい事には違いない。 だから、今回は素直に甘えることにした。
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