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沙也加が帰って来たのはいつも通りに午前2時を過ぎた頃だった。
「ただ今~っ」
「お帰り~っ」
「タッキー、起きてて大丈夫?」
「うん、もう襲えるところまで回復した」
「タッキー、やらしい」
「あははははっ。沙也加ちゃん、お腹空いた?」
「あっ、ご飯作ってくれたのね。沙也加、感激~っ !!」
「日頃、世話になっているお礼。大した物じゃないけど……」
テーブルの上にはハンバーグとサラダ、お新香類が置かれてある。
「食べないで待っててくれたんだ」
「摘み食い程度には食べたけどね」
「今、着替えて来るから待ってて」
沙也加はバッグをテーブル脇に置いて、洋服ダンスから着替えを持って洗面所へ入って行った。卓司は立ち上がって台所で味噌汁を温め直す。
夏用の薄いピンクのスウエットと黄色のタンクトップに着替えた沙也加がテーブルに着く。
「遠慮しないで食べてよ」
「あたし、ハンバーグ大好きなんだあ、嬉しいな。いただきま~~す」
始めに味噌汁に口をつけ、沙也加はゆっくりとしたペースで食を進めて行く。
「……警察、どうだった?」
「うん、なんとか分かってもらえた」
「そう、それは良かったね」
卓司にはそう言って笑う沙也加の笑顔がなぜか眩しく感じられた。
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