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中に入ると、何故か京子がキョロキョロと部屋を見回していた
部屋には医療用の器具や、何やら薬品のような物が棚に並んでいる
他にもパソコンが置いてある机があった
が、人は見当たらない
京子
「先生ー?あれ?ゆかり先生ーー?どこですかー?」
紅
「いねぇのか?」
京子
「いえ…いるはず…ゆかり先生はここから出ませんから」
出ないって…
研究が忙しいのかはたまたニートか…
紅
「……ふむ…」
俺は気配を探る為、神経を研ぎ澄ます
紅
「おい、いたぞ」
京子
「え?」
俺は迷う事なく、机の所に歩き出す
その机の下に、毛布の塊があった
これか…
紅
「おい、出てこい」
ゆかり
「………やだ…」
やだって…
つーか、幼女みたいな声だな…
紅
「ほら出ておいで、お兄さんとお話ししないか?」
これでもガキの扱いは慣れてんだ
まぁ最近はあんまり相手してなかったけどな
ゆかり
「…ん…」
お、顔出した
ボサボサの金色の長髪に、子供のような顔立ちで可愛らしいが、目の下のクマで可愛さが半減していた
そのクマを隠す為か、黒縁のメガネを掛けている
俺は嫌いじゃないがな
ゆかり
「…ぇと…紅ですよ…ね?」
紅
「あぁ、よろしくな。検査してくれるのか?」
ゆかり
「うん…そこ座って…?」
ゆかり先生が指差した所には椅子があり、その隣には医療用と思われる機器が置いてある
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