基地

5/34
前へ
/80ページ
次へ
中に入ると、何故か京子がキョロキョロと部屋を見回していた 部屋には医療用の器具や、何やら薬品のような物が棚に並んでいる 他にもパソコンが置いてある机があった が、人は見当たらない 京子 「先生ー?あれ?ゆかり先生ーー?どこですかー?」 紅 「いねぇのか?」 京子 「いえ…いるはず…ゆかり先生はここから出ませんから」 出ないって… 研究が忙しいのかはたまたニートか… 紅 「……ふむ…」 俺は気配を探る為、神経を研ぎ澄ます 紅 「おい、いたぞ」 京子 「え?」 俺は迷う事なく、机の所に歩き出す その机の下に、毛布の塊があった これか… 紅 「おい、出てこい」 ゆかり 「………やだ…」 やだって… つーか、幼女みたいな声だな… 紅 「ほら出ておいで、お兄さんとお話ししないか?」 これでもガキの扱いは慣れてんだ まぁ最近はあんまり相手してなかったけどな ゆかり 「…ん…」 お、顔出した ボサボサの金色の長髪に、子供のような顔立ちで可愛らしいが、目の下のクマで可愛さが半減していた そのクマを隠す為か、黒縁のメガネを掛けている 俺は嫌いじゃないがな ゆかり 「…ぇと…紅ですよ…ね?」 紅 「あぁ、よろしくな。検査してくれるのか?」 ゆかり 「うん…そこ座って…?」 ゆかり先生が指差した所には椅子があり、その隣には医療用と思われる機器が置いてある
/80ページ

最初のコメントを投稿しよう!

56人が本棚に入れています
本棚に追加