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日本…とある山中…
鬱蒼とした森の中…
そこには明かりが一切無く、月も雲に隠れており、暗闇の中、木々が不気味に音を立てている
その中に1つ、動いている影があった
?
「…ちっ…たいした物持ってねぇな…」
それは男の声だった
何やらしゃがみながら足元をゴソゴソと探り、鬱陶しげに呟いている
?
「お?タバコじゃん、ラッキー。あれ?警察官ってタバコ持ち歩いちゃダメじゃなかったっけか…まぁいいか」
そう言って男は立ち上がった
その時、雲の切れ間から月が現れ、男とその周りを照らす
男の着ている服には夥しい量の血が付いていた
その手には血が滴る薙刀を持っている
背中には2メートル程の筒を背負っていた
そしてその男の周り…そこには青い制服を着た警察官達が何人も倒れていた
その警察官達はピクリとも動かず、ある者は首を斬られ、ある者は上半身と下半身が離れている等、酷い死に方をしていた
紅
「この紅(あか)様に喧嘩売るからだ公僕共め。タバコと銃は貰ってくぜー」
紅は死体から取ったタバコに火をつけ、歩き出す
紅
「さーて…次はどこに逃げようかなーっと…とりあえず村でも探すか…」
そんな事を呟きながら、紅は薙刀に付いていた血を拭い、筒に薙刀を入れる
紅
「はぁ…山道って歩きづらい…」
その言葉を残し、紅は闇に消えていった…
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