完璧な彼女

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俺と彼女の出逢いは突然だった。 ある日仕事帰りに近くの公園のベンチでひと休みしていると、彼女も同じベンチにこしかけてきた。 色白の美人で、うるんだ瞳の彼女は、そっと俺の手に自分の手を重ねた。 きっと事情があるに違いない。 そう感じた俺は、彼女を自分の部屋に連れて帰った。 彼女はどんなに遅くなっても俺の帰りを必ず待っているし、どうして遅くなったのか問いただしたり決してしない。 ただただ俺の側に寄り添う優しい彼女。 こんな完璧な彼女がいままでいただろうか。 俺もそんな彼女に微笑みかけ、彼女の頭を優しく撫でた。 そんな幸せな日々に、ある日突然事件は起きた。 いつものように帰宅すると、明らかに彼女の機嫌が悪いのだ。 どうしてなのだろう。彼女をそっと抱きしめたときだった。 「痛いっ!」思わず俺は声をあげた。 爪を立て睨む彼女はやっと口を開いたのだった。 「にゃぁ!(エサがなくなってるんだよ!怒)」 -完-
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