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さて、Lと別れてから本格的にダーツにハマり始めた私。店が終わるとダーツバーに行っては、店員や常連客と一緒にダーツの対戦をしたり、時には負けたらテキーラを飲むという遊びをしたり。
私は集中出来るものを見つけ、段々と失恋の寂しさを和らげていった。
そして一人の男の人に少しだけ恋心を抱いた。
それは、歌舞伎町にあるダーツバーQの店員B。Bはダーツがそこそこ上手く、面倒見も良い性格で閉店まで飲んでいると、時々一緒にご飯でも行くか、と誘ってくれたり。酔っ払ってしまった時は店で寝かせてくれたり。優しい兄貴的な人だったのだ。そして高身長!これは私の大好物だ。(笑)
ここQに毎日のように通ったと思う。Bに一目会いたくて。だが、Bはただの接客上手な店員であって、私に興味の一つもないことは知っていた。それでも会うことが出来れば良かったのだと思う。
そんな報われない小さな恋心を抱いたまま、月日は過ぎていき、お店のお姉さんと仕事帰りに回転寿しに行った時。
「あれ?あんた何やってんの?」
「お疲れ様っす、姉さん!いやー、寒いから休憩っすよ、休憩!ちょうど、姉さんもいたし」
深夜1時頃だったか。仕事終わりの食事を楽しんでいると、一人の男の子がお姉さんに声をかけてきた。
「この子ね、客引きのボーイで、よく会うのよ」
「どもー!」
お姉さんに紹介された彼はF。Fは元気に挨拶をして、お姉さんの隣に座った。私も軽く会釈して、自分の食事に集中した。
「いやー・・・ヤバイっすね」
「え、何、どうしたのよ」
「いやー・・・可愛いなと思って」
「え、何、仰ちゃんが??」
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