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「私が入った店のお姉さま達が怖かったの!なんとかうまく気に入ってもらって、良かったんだけどねー」
ハハハと軽く笑いながら、彼女はどんどんとキャバクラの濃厚な世界について話してくれた。
「私、売上折半で店と契約したのね。例えば、一ヶ月で1000万売り上げたら、私の給料は500万。ね、簡単な計算でしょ?」
額が違う、額が・・・!
彼女の話を聞いていると、本当に遠い世界のように思えた。改めて知ったのだ。キャバクラの世界でも雲の上の存在の人がいるんだなぁ、と。
Eちゃんは基本的に客と仲良くなる、いわゆる友達営業タイプの女の子だ。私には絶対に出来ない営業方法。だから、そんな彼女を羨ましく思った。
こんなにフレンドリーで顔も可愛くて、自分のことをよく覚えてくれたらそりゃ客になるわ。
つくづく思ったものだ。
今から14,5年前はまだキャバクラ嬢にとっては稼ぎやすい時代だったのかもしれないが、それを抜きにしても彼女の実力があってこそ稼げていたのだと思う。
というのも、彼女はボーイに頼んで店に置いてある全てのウィスキーの味を覚えさせてもらったという。この味はA客が好き、この味はB客にオススメ出来る・・・
彼女は客の好きな味、煙草の銘柄、趣味や誕生日に至るまでノートに記録していったという。
そしてついには客の財布まで管理するようになった。
例えば、週一で飲みに来るAは毎回10万しか使わない。でも月末の売り上げ対抗戦イベントがあるし来て欲しいから・・・しばらく来ないようにとメールしよう。
一ヶ月に一度、10-30万程使うBだけど、財布の中にはもっと使えるお金が入ってるの見たし・・・月末のイベントでおねだりしてみるか。
そして彼女はブランド品のことをよく知っている。客がお金を持っているかどうかは、時計と靴を見て判断するらしい。
時計は2000円くらいで十分。靴は高くても1万円くらいのものしか買ったことのない私からしたら、こんなことを言われても客が金を持っているか持っていないか、など判断出来ない。
そもそもブランド品に興味がないため、調べる気も起こらないのだ。(笑)
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