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えっ……。
にわかに、声が喉の奥に引っ掛かった。
「だけど、一般的にはさ、私たちの年齢で一緒に暮らすことにまでなれば、
少なからずその先は、現実として視野に入ってるもんじゃない?」
「それは……」
さすがに、言葉が続かなかった。
そんな私に、しみじみとした朱里の声が言う。
「一緒に暮らしたいって言うほど香奈の事を好きになってるなら、
結城くんが、香奈との子供を欲しいって思ってても不思議はないと思うよ。
それに、もしそう思ってるとすれば、
もちろん、その前に結婚をって考えてるだろうし」
そして、チクリと言われる。
「でも、一緒に暮らすって決めた段階で、
香奈だって、考えなかったわけじゃないでしょ?
じゃないと、大人としてはちょっと無責任だしさ」
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