第18章  ラブ・バレンタイン

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年齢的なこともあるだろうが、お互い仕事を持つ身でもあるため、 平日に彼から求められることは、 彼のマンションでの仮同棲の時も含めて滅多にない。 しかしこの夜、入浴を終えてソファでテレビを見ている彼と並ぶと すぐに抱きすくめられ耳元で囁かれた。 「香奈、今夜ダメ?」 仕事なのか、それ以外かは分からないが、 この日、彼に何かあったのは明らか。 それだけに、拒むことは出来なかった。 「する?」 尋ね返した私の肩の上で、顔を埋めたまま「うん」と頷く。 そしてこの夜、彼は、「念入り」という言葉がピッタリな感じで私を愛した。
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