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「うん。でも、来週はご馳走作って待ってるからね」
うん――。
頷いたものの、なかなか腕を解こうとはしない。
だから「衛、顔見せて?」と、こちらから促した。
そして、のっそりと腕を解いた彼の顔をそっと両手で包み
ゆっくりとキスをする。
「お仕事がんばって」
それに「うん」と、もう一度うなずいた彼が、
再び荷物を手に取り、力なく言う。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
そして私は、寂しげに出て行く彼を、出来る限りの大きな笑顔で見送った。
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