第18章  ラブ・バレンタイン

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彼の誕生日である、2月5日の火曜日。 夜の9時を回ったところで、 外で食事をしても、もうホテルに戻っている頃だろうと電話を入れる。 「もしもし、香奈?」 すると、答えたのは思ったより元気そうな彼の声。 それに、少しホッとした。 「うん。お誕生日おめでとう」 「ありがとう。でも、本当は直接聞きたかったよ」 だが、それはさすがに彼の声も少し曇る。 だから、私は出来るだけ明るく言った。 「うん。帰ってきたら、改めて言うね」 そして、頷き返した彼の声に、来週末のデートは何がしたいかと話題を振る。 すると、再び彼の声に元気が戻った。
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