第17章  あの頃(続き)

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気まずさと驚きも明白に、凍りついたように私を見詰める彼を前に、 さすがに更に真意を探るべきか、私も迷いだす。 そして、言いたくなければ言わなくてもいいと言おうとした時、 ふっと目の前の彼が、視線を落としてポツリと言った。 「俺、どうなればいいんだろう」 えっ? 今度、聞き返したのは私。 しかも、益々彼の心に詰まった不安が分からない。 だから今度は、私が黙って彼を抱きしめた。 私の腕の中で彼も黙ったまま、わずかに身を預けてきた。 そしてしばらくすると、再び彼が小さく呟く。 「それでも……。あっ、いや、だけど……」 そして、小さく「はぁ……」と声に出して淡い溜息をこぼした。
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