第17章  あの頃(続き)

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正直、何を葛藤して、何に不安を抱いているのかは、やっぱり分からない。 だから取り敢えず、今、私が分かっている事を口にした。 「高校時代の衛、私のこと書いてくれてたのね」 ところがそう言った途端、一瞬、体を強張らせた彼の腕が キュッと私を抱きしめた。 「あの日記、まるで君の観察記録なんだ。 どこを開いても、キラキラしている君や、沈んでる君や、 ほとんど君の事しか書いてない」 それは、引っ越しの時に偶然見つけられ、何の気なしに目を走らせ そして、捨てられなくなった思い出の物らしい。 「あの頃の俺は、書き方は単なる観察日記でも、 あんなに君を好きだったんだって、恥ずかしいくらい丸分かりでさ。 だから、初めはアレを見られるのが恥ずかしかった」
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