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やるせなさげに肩を落とす彼を前に、ようやく私にも彼の不安が読めてきた。
たぶんそれは、随分前に彼が、自分の想いを私の重荷にしたくないと言った
あの事に関係しているのだろう。
だから、
「衛、変わりたいの?」
えっ……?
そして、当然彼は、私の変化球の問いにちょっと訝しげな面持ちになる。
そんな彼を、私はそっと抱きしめた。
「佐々木くんね、衛のこと憶えてたわよ。
ちょっと変わってて、英語と生物が得意だったって。
私と一緒に、文化祭委員をしてたことも憶えてた」
そして、私の肩に顔を埋めた彼の背中をさすりながら言う。
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