第18章  ラブ・バレンタイン

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しかしこんな時は、やっぱり年の功とバツの功が、 裏も表もなく、寛大な大人の顔を作らせる。 「じゃあ、帰ってきてからにしよう」 気持ちよく延期を口にしたつもりだった。 しかし、彼の顔はやっぱり浮かない。 だから、我ながら甘いなと思いつつ、もう一つ提案をしてみる。 「そうだ。ちょうど再来週はバレンタインもあるから、 週末は、目一杯ラブラブなデートでもしようか」 それには、さすがに「えっ……」と彼の顔から曇りが取れる。
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