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しかしこんな時は、やっぱり年の功とバツの功が、
裏も表もなく、寛大な大人の顔を作らせる。
「じゃあ、帰ってきてからにしよう」
気持ちよく延期を口にしたつもりだった。
しかし、彼の顔はやっぱり浮かない。
だから、我ながら甘いなと思いつつ、もう一つ提案をしてみる。
「そうだ。ちょうど再来週はバレンタインもあるから、
週末は、目一杯ラブラブなデートでもしようか」
それには、さすがに「えっ……」と彼の顔から曇りが取れる。
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