プロローグ

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プロローグ

ニーチェの哲学書『善悪の彼岸』の有名な一節は知ってるだろう?ロバート・K・レスラーという元FBI捜査官が『FBI心理分析官』という著書の冒頭でも取り上げた。 ええ。「怪物と戦う者は、その過程で自分自身も怪物になることのないように気をつけなくてはならない。深淵を覗く時、深淵もまたこちらを覗いているのだ。」っていうのですね? そうだ。プロファイリングという新しい犯罪分析の捜査手法を世に知らしめるのに一役買い、一時期犯罪心理学を志す者によく好まれ読まれた。だが、それ以上に犯罪者にとってのバイブルとなったのはあまり知られていない。 ええ?そうなんですか? ああ。キミも十分に気をつけろ。自分の中の怪物は勿論だが、奴という怪物にも暗闇の中へ引きずり込まれない様にな。 どうしてですか? 孤独だからだよ。他の誰にも理解してはもらえないからさ。しかし、キミとならきっと解り合あえると、奴はそう信じている。だから奴はメッセージを残すんだよ。キミという理解者に伝えんが為にな。 キミにも思い当たる節があるはずだ。
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