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そして、「生活」と名を変えた彼との暮らしの中で、
初めて私の知らなかった彼の顔を知ることになる。
しかも私は、そんな彼とどう向き合えばよいか分からなくなり、
完全に戸惑った。
果たしてその知らなかった顔とは、徹底した現実主義。
それは別に、そこに優しさがないわけでも、冷徹というわけでもない。
しかし、夫婦となった心と心を重ねて温もりを確かめる事も、
時には、ぶつかって喧嘩になることもない。
人恋しくても、辛くても、
相手とタイミングが合わないなら、無理に合わせる必要はない。
お互い大人なのだから、困難の一つや二つ、対処はできるはず。
あまつさえ、ぶつかり合うなど心身ともに労力の浪費に過ぎない。
だから、ぶつかる前に回避すればいい。
いつも、どんな場合も、冷静に、客観的に、
理論という筋道を道しるべに現実を見れば、不要な争いも、甘えも生じない。
これが、彼という人の生き方。
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