ばばあエレジー

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仕事が終わる頃、この部署に一人の女性社員が顔を出した。 「かず!」 千冬さんは嬉しそうにかずと呼んだ女性社員の方に駆け寄った。 「…新しい社員ってあの子?」 遠くから値踏みするような目付きで私を覗いている。 「橘さん…28歳よ。あの人仕事出来るわよ!あの禿げ社長にしてはいい人材見つけてくれたわよ。」 「歓迎会、するわよね。」 「もちろんよ!だけど月初めにしてよ!締め日続きで月末までは体が空かないから…うちの部署は。」 「分かってるって!じゃあ来月頭の週末2日の夜でいい?」 「いいわ。」 「じゃあ、いつものバー予約入れておくね。 そうそう、忘れるところだった。新入りさんにカクテルの希望聞いといてくれる? 早めにマスターに知らせておきたいから。」 「分かったわ。」 「じゃあね。」 かずという女性社員は手を上げて帰って行った。 「誰なんですか?今の人は…。」 私は恐る恐る千冬さんに尋ねてみた。 「総務課の浅倉かず課長。私の同期なの。」 「女で課長?」 「彼女は仕事出来るから。方向音痴がたまに傷だけどね。 飲み会が好きでね…。 うちに新入りが入って来たの知ったら今の通りよ。 歓迎会…出てこれるわよね。」 まあ、せっかくのお誘いだし…断る理由は無いわよね。 お酒…結構好きなんですの私。 「はい、大丈夫です。」 大丈夫…酔い潰れなければ私の本性は出ない。 少ししか飲んじゃダメだぞ私…だけど飲み会なんて久しぶり。 気を抜いてボロが出ない程度に控えなければ…。
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