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やっとの思いで学校を出て、歩くこと1時間。
俺と先輩は駅前にある洋菓子が美味しいことで有名なカフェにやってきた。
おかしいな。ウチの学校、駅近で人気なんだけどなー。
ここまでずっと下を向いて恐る恐る歩いてきた最上先輩は元より、そんな先輩をハラハラしながら見守りつつ同行してきた俺もまた、すっかり疲れてしまっていた。
だって先輩、ずっと下向いてるからすぐ人やら電柱やらにぶつかりそうになるし!
今まで雨上がりに一人の時はいったいどうしてたんだ!?
「ごめんね、私のせいで時間かかっちゃって。でもでも、ここのロールケーキがほんと美味しいんだよっ! 絶対清澄クンと食べたくって!」
達成感からか、日常3割増しの眩しい笑顔を浮かべる先輩。かわいい。
「へえ~そうなんですか。お店は有名だし知ってましたけど、入った事はなかったです」
「ん~やっぱり男の子だけだと入りずらかったりするもんね~」
「あはは」
何気に俺に女友達のいないと断定されているのが少し気になるが、まあ事実なので言うまい。
先輩と揃って店内に入り、茶色で統一されたかわいらしい制服に身を包むウェイトレスさんに窓際の席に案内され、着席。
「注文は任せて!」と胸を張る先輩に食べ物の注文はお任せし、ホットコーヒーのみ注文。
先輩はミルクティーと、名物のモンブランロールケーキを2つ分、注文してくれた。
ほとんど待たされることなく、飲み物とほぼ同時にモンブランロールも運ばれてくる。
「これこれ! ほんと好きなんだっ! 清澄クンも絶対気に入ると思うよ!」
待ちきれないのか、興奮ぎみに息を荒くしながら語る先輩。
「じゃあ、早速いただきましょうか」
「うん!」
それにしても、先輩とロールケーキの組み合わせも絵になるなあ、などと脳内で思い浮かべていると、間もなく俺は”『完璧超人』最上みれいの意外な欠点その③”を目の当たりにした。
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