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「そうなんだ~。じゃあじゃあ、明日から私が作ってきてあげよっか?」
心臓が、飛び出るかと本気で思った。
「え!?マ、マママジですか!?」
「うん。どうせ一つも二つも変わらないしね。それに私も彼女らしいことしなくっちゃ」
はあぁぁ!! こんな幸せがこの世にあっていいのだろうか。
もしかしたら俺、もうすぐ死ぬんじゃね?
そんなくだらない煩悩を何とか振り払い、答える。
「せ、先輩が無理でなければ、是非!」
「うん、よし、張り切っちゃうぞ~」
拳を作り、ぶんぶんと頑張りポーズを作る先輩。
「じゃあ、早速食べよう!」
「は、はい!」
先輩が作るお弁当か……。どんなだろうか。きっと超絶美味しいんだろうな。
「じゃあ、いただきます」
「い、いただきます」
先輩はパカっと弁当箱のふたを開けた。
色とりどりの具材やトッピングでデコレーションされた先輩の弁当は、なんだかそれだけで芸術のようだった。
……というか、これ、キャラ弁?
「今日は張り切って作ったんだ。ほら、これ、ぷ○キュアのレッドだよ!」
完璧超人、最上みれいとキャラ弁。
しかも、国民的少女向けアニメ『ぷ○キュア』のキャラクター。
どこからどう見ても、ミスマッチだった。
……い、いや、きっと小学生の妹さんのために作ってあげてるんだ。自分用も合わせてデコレーションしてるだけなんだ。そうに違いない!
「か、かわいいですね……。妹さんのために作ってあげてるんですか?」
うま~と満面の笑みでキャラ弁を頬張る先輩に訪ねる。
「ん? 妹? ううん、私一人っ子だけど」
「そ、そうなんですか。今日はたまたまデコっちゃった感じですか?」
「いっつもこれだよー。最新レパートリーが無くなってきちゃって困ってるの。そうだ、清澄クン、リクエストある? 明日キミ用のそれで作ってあげる!」
「あ、ありがとうございます。考えときます……」
準備あるから、夜までには教えてね! と言ってパクパク続ける先輩。
『完璧超人』最上みれいの意外な欠点その①
お弁当が毎日キャラ弁(幼女向けアニメ)
普段の先輩からは想像できないけど、きっと先輩とお昼を食べられたからこそ知ることができた”違った一面”かな……。
俺用のキャラ弁を何でお願いしようか悩みつつ、パンを頬張るのであった。
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