167661人が本棚に入れています
本棚に追加
｢…………｣
祥子は黙り込んだ
…
…
｢…………｣
｢……負けたわ｣
｢何がや｣
｢あんたには負けたゆうとんねん｣
そう言う祥子の目からは
一筋の涙が流れた
｢あたしも…
あんたみたいに命張れる程のチ-ム作りたかったわ…｣
あたしは祥子の涙と言葉に動揺した
しばらく沈黙の後
｢…今のあんたならやり直せるかもな｣
そう答えた
祥子の流す涙と言葉は
偽りのない本心だと
思えたからだった
瑞穂の言葉に
祥子は泣き崩れ
｢すみませんでした…｣
そう泣きながら
謝ってきたんだ
｢………もうえぇわ
仲直りや｣
スｯと手を祥子に差し延べた
包帯には血が滲んでいる
あたしの手を
祥子はソｯと包み
握手した
祥子の涙は止まる事なく溢れ出ている
まるで子供のように泣き続ける祥子……
プライドが人並み以上に高かった祥子の中で
何かが切れたんだろう…
そう思った
最初のコメントを投稿しよう！