一人

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そぅ瑞穂はまだ15歳 もうすぐ誕生日… 隼人も知らなかった瑞穂の誕生日… 3月22日… 瑞穂は16歳を迎える事が出来るのか…… 誕生日まで あと三日… ICUで一夜を過ごし 翌日… 瑞穂は目を覚ましたんだ ただボ-ッと天井を見つめるだけで 動こうとしない いや… 動けないでいた… 隼人の輸血のおかげで 第一段階は乗り越えたが… 回復するまでの 体力がもう瑞穂には 残っていない…… 隼人は夜通しICUの前でずっと待っていた 目を覚ましたのも隼人が気づいたんだ 隼人は医師に頼み ICUの中に入らせてもらう事ができ 完全防備をして中に入った 瑞穂は隼人に気づくが… 動けない…… 「お前もうすぐ誕生日なんやて? 教えんかい! 何が欲しいん? 特別に何か買ったるで?」 「……………」 「お前まだ指輪持ってるんか?してへんみたいやから捨てたやろ? また買ったるからもう捨てんなや?」 「……………」 瑞穂は黙ったまま… でも隼人は話し掛ける事をやめなかった…… しばらくして… 瑞穂の口がパクパクと動いた 「どないしたん?」 瑞穂の口に耳を近付けた 【あたし…もう無理やわ…】 瑞穂の言葉に隼人はア然… 瑞穂から出た弱音の言葉… 隼人は涙をグッと堪え 瑞穂を見つめた 瑞穂は天井を見つめたまま涙を零した 隼人は堪えられなくなり ICUを飛び出した
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