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「……ごめんね。」
「え、咲先輩……!?」
急に
真剣な声色と表情で
私へとそう言った咲先輩。
「……雛子ちゃんが、合コンに興味ないことも、過去のことで、前に進めない今の状況も知ってるのに無理に誘ったりして。」
「……い、いえ。」
「……でもね、今朝も少し話したけど、私は、雛子ちゃんに前に進んでほしいの。過去の恋から新しい恋へと一歩、歩みを進めてほしい。」
咲先輩の
優しさと想いが
胸へと伝わり
私の胸を一気に熱くさせる。
咲先輩なりに
私のことを気にかけてくれていて。
だから
いつも
私から即答で
断られるとわかっていても
それでも
諦めずに私のことを
誘い続けてくれていたんだ。
「私、雛子ちゃんに幸せになってほしいんだ。だから」
「……ありがとうございます。咲先輩の気持ち、ちゃんと伝わりました。」
「……伝わるだけじゃなくて、それを変わるキッカケにしてほしかったわ。」
「ふふっ、努力します。」
そんな
会話をしていると
営業部の男性達がやって来た。
今日は
4対4の合コンで
たしかに
咲先輩の言ってたとおり
眩しいくらいに輝いている男性達で。
その中には
見るからに
機嫌が悪そうな眼鏡のあの人と
新庄さんと呼ばれる爽やかな人がいた。
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