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それは 社内旅行を来週に 控えたある日のことだった。 「……今日、も……ですか?」 「そうなんだよー。昼飯行こうっぜて誘ったんだけど、今日も行かないの一点張りで。」 「……そう、ですか……」 昼休みになり 中庭で 2人のことを待っていると 新庄さん1人が今日もまた 項垂れた様子で屋上へとやって来た。 「……お仕事、忙しいんですか?」 「うーん。たしかに、忙しいは忙しいけど、でも、別に休みを返上してまでの忙しさじゃないよ。」 ここ最近 夏目さんとは 時間が合わない日が多く  以前のように 3人揃って昼食を 食べることが出来ない日々が続いていて。 受付や 廊下で合う時も どことなく 今までとは 様子が違って見える彼……。 何か…… あったのかな……。 「……少し、妬けるね。」 「え?」 「最近、俺1人で中庭に来るだろ?そしたら、篠宮ちゃん、わかりやすいくらいに寂しそうにするからさ。」 「……そ、それは、せっかく、仲良くなったのに……」 「……うん、そうだよね。ごめん……。急に、変なこと言ったりして。」 「あ、いえ……」 ほんの一瞬。 どこか切なげで 悲しげな表情を浮かべた新庄さん。 けれど 次の瞬間には いつもの笑顔が 似合う新庄さんに戻っていて。 「よしっ、あんなバカは無視して2人で食べよう!」 「……そうですね、食べましょっか。」 .
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