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私はその日から学校を休んだ。 保健室で手当てをしたあと、気分が悪いと学校を休んで今日で3日目。 心配したひとみからメールが何件も入っている。 「ごめん。私、先輩のこと好きだったなんて、知らなくて。」 私はそれを見て、携帯を投げつけた。 謝らないでよ!私が惨めになるじゃん! 会って話したい?何を話すっていうのよ。 もうどの面下げてあんたに会えばいいのかこっちがわからないよ。 放っておいてよ。 どうせ、私に何も出来ないくせに。友達面するんじゃないよ。 私に先輩をくれるとでもいうの? ひとみなんて、居なくなればいい! 私は3日間ろくろく何も食べていなくて、不思議なもので、人間はどんなに辛くても、命を繋ぐためかおなかがすくらしい。両親が心配して、食事をとるようにすすめていたけど、頑なに自室に閉じこもっていたのだ。 4日目の朝、私はのろのろと着替えて、近くのコンビニに出掛けた。 サンドイッチくらいなら食べれるかな。 「いけないねえ、学校をサボっちゃ。」 後ろから声をかけられ、振り向くと矢田君が立っていた。 「放っておいてよ。」 私は前を向くと、再び歩き出した。 「ひとみが怪我をしたよ。」 「え?」 「昨日、自転車にはねられたんだ。」 それで昨日はメールがなかったのか。 「お見舞い、行かなくていいの?」 「入院したの?」 「ああ、骨折程度らしいけどね。」 私は矢田君から病院の名前を聞き出して、病院へ向かった。 何故か矢田くんが、私についてきた。 「やっぱり、君は、黒いね。黒い、黒い。」 そう言いながら後ろでクツクツ笑う。 気持ち悪いヤツ。 小さな花を買って、ひとみの病室を訪れた。 するとやはり先輩が側についていた。 最高に気まずい。 「大丈夫?」 私はそう言うと小さなアレンジメントの花かごを渡した。 「うん、大丈夫。ちょっと小指の骨が折れたくらいだから。」 「そっか。メール、返事しなくてごめんね。明日からちゃんと学校行く。」 私はそう言うのが精一杯でいたたまれなくなり、病室を後にした。 先輩は気まずそうに俯いていた。それが答えだ。
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