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「…ちょっと待て。」
押し倒されたベッドで、両手をついて俺に覆い被さる男に待てをした。
『何だよ。怖じけづいたのか?お前から誘ってきたのに。』
ニヤリと不適に笑う男。
「…はっ?誘った?俺が?」
いやいや。
待て待て。
俺がこいつを誘った?
何言ってんだ?こいつ。
『誘っただろ?俺の前に来て。俺とやろうぜっ。って。』
……俺とやろうぜっ?
…確かに言った。
言ったけど…
『俺、男とはしたことねぇけど。お前ならいけそうだし。試してみてもいいかって思ってよ。だから、しようぜ。』
する?
男とはしたことねぇ?
はい?
「いやいやっ!ちょっと待てっ!お前!しようぜって!ちげぇからっ!何か、すげぇ勘違いしてっからっ!」
俺の首筋に顔を近付けて来る男に慌てて言う俺。
逃げようにも太股辺りに乗られて動けねぇし。
両手でそいつの両肩を抑え止めた。
『何だよ。勘違いって。してぇんだろ?俺と。』
眉間にシワを寄せる男。
「してぇけど!じゃなくて!全然、ちげぇから!」
止めているにも関わらず近付く顔。
『やっぱ、してぇんじゃねぇか。ぐだぐだ言ってねぇで、早くしようぜ。お前、ちょっと黙ってろよ。』
そう言うと、その男は俺の両手首を捕らえベッドへと押さえ付けた。
と、途端に俺の視界いっぱいになった男の顔。
「っちょ!てめぇっ!ふざけんなっ!っんっ!」
!!っおいっ!
有り得ねぇ!!
こいつっ!
男のくせに男の俺にキスしやがったっ!
「…っん~!んっ~!」
口を塞がれ声も出せない。
バタバタもがいてみるも俺よりでかいこいつの体重がのし掛かった身体は身動き取れず。
何だよっ!
何なんだよっ!これっ!!
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