僕の家

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「マサト、ナツ、よく聞いて。この雨漏れはね、神様の涙なのよ。どんな事があっても心歪めてはいけないっていう、神様の願いが籠っているの」 「ママ、神様いるの?」とナツが尋ねた。 「いるよ。神様はね、美しく素晴らしい心の中にいるよ。ナツの心の中にもね」 「ママ、悪い心には?」 「悪魔がいるよ」 「嫌だ! 悪魔より神様の方がいい」 「僕も悪魔は嫌だ! 神様の方がいい」 「そうよ。神様を大好きになってね。神様はね、どんな事があっても心を美しくしたい、そう思う心が大好きなの。マサト、ナツ、美しい心、歪まない心、大好きになってね。神様も大好きだから」 「そうだ。パパもそう思う。神様は美しい心、歪まない心が大好きだ。パパも大好きだよ」 「ママも大好きよ」  子供たちは安らぎと親の愛情を十分感じていた。雨が止んだ。雨漏れは止まった。一家は笑い声と笑顔が満ちていた。  翌朝は快晴。一家は濡れた物全部出して干した。布団を干している時、楽しそうにさえずるスズメたちを見てナツが言った。 「ママ、スズメたちが聞いているよ。いい事あったって?」 「ナツはどう答えるの?」 「スズメさん、とても素晴らしい事あったよ」 「僕もそう思ってる。スズメさん、とても素晴らしかったよ」 「ママもそう思っている」  「パパもそう思っているよ」 「マサト、ナツ、聞いて。雨漏れを喜ぶ人はいないのよ。神様の涙を喜んだのよ。美しい心を見て喜んだのよ」 「神様の涙よりママの涙の方が嬉しかったよ。ママの涙の方が美しかった」 「ナツ、ありがとう。ママ嬉しい!」 「ナツ、パパも嬉しいよ」  笑顔の素晴らしさをマサトは心から喜んだ。 「パパ、ママ、僕の家最高!」  パパはにこやかに、 「我が家は貧乏だけどみんなが心一つに頑張ればな、神様が喜ぶ家に変わるよ。みんなで頑張ろう!」  マサトは明るく元気よく、 「パパ、僕、頑張るよ!」 「私も頑張るわよ」  ママは子供たちの心の思いが嬉しかった。 「ママ嬉しい!ママも頑張るからね。パパ、子供たちにとって一番素晴らしい家はね、家族みんな大好きな家が一番素晴らしいんだってよ」 「マサト、ナツ、パパ頑張るよ。ママに嫌われたらパパ生きていけない。マサトとナツに嫌われたら生きていけない。パパ頑張るよ。パパは家族みんな大好き!」 「ママも家族みんな大好きよ」 「私も家族みんな大好き!」 「僕も家族みんな大好きだよ!」
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