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裕也は、少し考えた様子を見せてから、一息つき、正志の方に体を向けて言いました。
「実は僕、最近、悩んでいることがあって」
「悩み?」
正志は、探偵の目で裕也を見ながら、ティーカップへと手を伸ばしました。
「うん、学校の事で」
裕也の話によると、最近、国語の教科書が行方不明になってて、困っているという事でした。というのも、教科書が無くなっていることに気づいたのが、今週の月曜日の事で、学校の机の引き出しの中を捜してみても、自分の部屋の中を捜してみても、出て来ないらしいのです。
「それで、菜津美に依頼しに、ここに来たって事だね?」
裕也は正志がここにいることを、祖母から聞いたことを、話してくれました。
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