第一章 教科書はどこにある

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 裕也(ゆうや)は、少し考えた様子を見せてから、一息つき、正志(まさし)の方に体を向けて言いました。 「実は僕、最近、悩んでいることがあって」 「悩み?」  正志(まさし)は、探偵の目で裕也(ゆうや)を見ながら、ティーカップへと手を伸ばしました。 「うん、学校の事で」  裕也(ゆうや)の話によると、最近、国語の教科書が行方不明になってて、困っているという事でした。というのも、教科書が無くなっていることに気づいたのが、今週の月曜日の事で、学校の机の引き出しの中を捜してみても、自分の部屋の中を捜してみても、出て来ないらしいのです。 「それで、菜津美(なつみ)に依頼しに、ここに来たって事だね?」  裕也(ゆうや)正志(まさし)がここにいることを、祖母から聞いたことを、話してくれました。
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