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二
「それで、その依頼、引き受けちゃったんだ」
正志からその話を聞いた菜津美は、着ていた制服を畳みながら、嫌な顔を一つして言いました。
「仕様がないだろ。ばあちゃんが十万円出すって言ってんだから」
「それって、お兄ちゃんが言わせた事だよね?」
菜津美のその言葉に、正志は虚を衝かれたような顔をしました。図星を指されたからです。
その顔を見た菜津美は、大きなため息をもらしていました。
「お兄ちゃんて、いつもそう。私が学校に行っている間に、すぐに取り決めてしまうんだから」
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