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菜津美はそれを、自身の手帳にメモして、書き足しました。正志は、ちゃんとメモした事を確かめてから、改めて質問し直しました。
「教科書がなくなった事に気づいたのはいつ?」
裕也は、家に帰って、宿題をやろうとした時に、教科書がない事に気づいたと、話してくれました。その時は、学校に忘れてきたと思ったらしいのですけど。
「でも教科書は、学校にはなかった。引き出しの中も、ロッカーの中も、捜してみたけど見つからなかった」
裕也の落胆する気持ちが、菜津美の心を揺れ動かしました。こんなに困っているのに、どうしょうもできないなんて、犯人の行動が腹立たしくてなりません。
菜津美は、自分に何かできる事はないかと考えました。裕也のために、何かしてやる事はないかと考えたのです。
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