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彼は、姿勢正しく、美しいお辞儀をすると、一歩マイクに近づいた。 『本日はこのような盛大な会を催していただき、誠にありがとうございます。私たち一年生は……』 おぉ、声までかっこいい… いわゆる、イケボってやつか… 顔もいい、スタイルもいい、頭もいい、声もいい、なんて、ほんと、嫌味だなー。 「いるんだな、顔も頭もいいやつなんてさ。 まぁ、きっと、ああいう奴は、俺らとは全く関係ない世界で生きていくだろうから、どーでもいいけどなー。 お、加奈からRINEだ!」 最初こそ興味津々に壇上のイケメンを見ていた智樹だったが、相手が男なだけに、段々と興味が薄れたのか、彼女との連絡をするため、スマホをいじりだしてしまった。
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