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「では、一学期、このメンバーで美化委員をやってもらうことになるので、自己紹介してください。」 名前も知らない先生が前に立ち、そう告げ、前の席に座っている生徒をその場に起立させた。 その生徒は、クラス、名前を言い、みんなに向かって頭を下げると再び席に座った。 そこからは、時計回りに順番に自己紹介をしていった。 俺の4人後に、かわい子ちゃんだ。 自分の自己紹介より、緊張しながら、その子の自己紹介を待った。 「1年4組 近藤梓です。よろしくお願いします。」 可愛らしい声でそう言うと、一瞬、俺の方をチラリと見て、ストンと座った。 かわい子ちゃんは、梓ちゃんって言うんだ。 名前までかわいい! 俺ってば、中々、梓ちゃんのこと、気に入ってるのかもしれない! 今まで、どんな女の子に、何を言われても何とも思わなかったのに、梓ちゃんの仕草にいちいち反応しているなんて、自分自身に驚いている。 いわゆる、一目惚れってやつか? この俺が?? でも、そう言うのもいいかもしれない、そんなことを考えながら、つまらん美化委員の集まりにニヤニヤしながら出席していた。
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