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それから、彼は毎日のように弓道部に見学に来た。
初日のように話しかけることはなかったが。
そのおかげか、弓道部の見学者数は、去年のそれと比べると倍近かった。
弓道部に見学にくる彼を見学にくる女子が多かったから。
さて、この中から、何人入部してくるか。
「おー、なんか、弓道部、人気なんだって?」
部活見学がはじまってから数日後、やたらと情報通の智樹が茶化すように言ってきた。
「例のイケメンが毎日見学に来てくれてるんだよ。」
「例のって…あー、あの、迎える会んとき挨拶したやつ?」
「そうそう。」
「そりゃ、そいつが入部となったら、今年の弓道部は相当なもんになるんじゃね?」
「んー、でも、道具高いからねー。」
「まーな。」
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