1503人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、うちの部活さ、弓とか矢には、基本、名前入れるんだ。だから、昔っから部員同士は名前呼びしてるから。
先輩たちのことも、名前呼びして。」
俺がそう説明すると、納得したように頷くと、
「先輩方は、もう、ゴム弓を使わないんですよね?」
と質問してきた。
「うん。全く。」
「なら、先輩方のをいただくことはできないんでしょうか?」
ほう…俺たちのか。
アツヤと顔を見合わせると、アツヤが、
「いや、いいけどさ、ゴムんとこ黒くなったり、持つとこ手垢ついてたりして、気持ち悪くね?やっぱ、自分の買ったほうがいいよ。」
と言った。
数人の新入部員は、うんうん、と頷いていたが、春大は、なんとも判断しにくい顔でこちらを向いていた。
「とはいえ、俺ら2年はもう使わないし、欲しいなら個人的に直接交渉してみて。」
と、俺が告げると、春大は、嬉しそうな顔で頷いていた。
最初のコメントを投稿しよう!