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「あ、うちの部活さ、弓とか矢には、基本、名前入れるんだ。だから、昔っから部員同士は名前呼びしてるから。 先輩たちのことも、名前呼びして。」 俺がそう説明すると、納得したように頷くと、 「先輩方は、もう、ゴム弓を使わないんですよね?」 と質問してきた。 「うん。全く。」 「なら、先輩方のをいただくことはできないんでしょうか?」 ほう…俺たちのか。 アツヤと顔を見合わせると、アツヤが、 「いや、いいけどさ、ゴムんとこ黒くなったり、持つとこ手垢ついてたりして、気持ち悪くね?やっぱ、自分の買ったほうがいいよ。」 と言った。 数人の新入部員は、うんうん、と頷いていたが、春大は、なんとも判断しにくい顔でこちらを向いていた。 「とはいえ、俺ら2年はもう使わないし、欲しいなら個人的に直接交渉してみて。」 と、俺が告げると、春大は、嬉しそうな顔で頷いていた。
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