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「キヨさん、これ、ゴム弓必要なメンバーのリストです。全部で13本発注したいです。 あと、キヨさんの分、アキに渡すんですよね?僕からアキに渡しておきます。」 金曜日、部活のはじめに春大が俺に話しかけてきた。 「アキ…?」 って誰だっけ… 俺がキョトンとしてると、春大が少し身を寄せて、耳元で、 「キヨさんにゴム弓くださいって言ったあの子ですよ。」 と、こっそり指差す方向を見ると、確かに俺にゴム弓をくれ、と言った子がいた。 と言うか、なんでそんなこと、春大が知ってんだ? 若干、疑問に思いながら、直接渡すのも恥ずかしいので春大に渡してもらうことにした。 「じゃ、よろしく。あとで、弓具屋さん教えるから。」 「はい。お願いします。」 そう言うと、春大は笑顔で去っていった。 はー、爽やかだよなー。 ありゃ、女の子がほっとかねーよなー。 春大を見るといつもそんなことを考える。 あの王子様のような仮面の下に、どんな素顔を隠しているのか、俺はもう少し先に知ることになる。
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