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俺は昔からチヤホヤされていた。
それは、この、恵まれた容姿のおかげだろう。
父の祖母が、クロアチア人と言っていたか。
つまり、1/8クロアチアの血が流れているわけだ。
大きな商社の役員をやっている父、その父の肩書きをやけに誇りに思っている母の、両方から英才教育を受け、成績優秀、さらに、体格にも恵まれていたため、運動もでき、俺は小さな頃から、神童と呼ばれていた。
そのまま中学生になっても俺はいろんな方面でトップだった。
両親にとっては自慢の息子。
俺が言うことは絶対だった。
だから、高校に入学して、とある先輩に言われた一言が、少しだけ衝撃だった。
-弓道部には入りたいなら、親に相談して-
親に相談?
親が、NGを出すことがあるのか?
俺のやりたいことに??
あの人は、この部活に入るときに、親に『相談』をしたんだ。
入ってもいいかどうか。
その日、寝るまで、先輩のその一言が気になっていた。
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