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「貴方はこの世界がつまらないと思っている。死のうとするほどに。ならば、私と共においでください。別の、色の世界へ。貴方は白の王。白の資格を持つ者です。」
「色の世界…?白の、資格?」
瞬きを繰り返し、真白は男を見下ろす。
ええ、と男は頷いた。
「この地球には、色の資格を持つ者が生まれます。色の資格を持つ者が生まれたと同時に私達のような、王を探し、王に仕えるモノも生まれます。王一人に対し我々も一つ。次の王を探すために。」
「次の王って、前の王はどうなるの?」
す、と男は立ち上がり、窓の側へと歩み寄る。
開けた窓から風が流れ込み、男の長い髪を揺らした。
「次の王が生まれるという事は、前の王は死ぬ、ということです。新たな王が適正な年齢に育った時に。王が死んだとき、国も共に死ぬこともあり、その場合は新たな王が新たな国を創造します。」
「新たな国を、創造?」
真白の方を向き、男は手を差し出した。
「新たな白の国を作るには貴方です、白の王。私と共に貴方の国を創る場所へ、行きましょう。」
「…おれの、くに…。」
迷いなど、ありはしなかった。
今生きているこの場所よりずっと楽しそうで。
真白は男の手に自分の手を重ねた。
すると足下からふわりと風が吹き上がり、目も開けていられないほどに風は強くなり、唐突に
ーーーーすべての音が消えた。
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