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雪村真白 13歳 身長155センチ 体重50キロ
明るい茶色の短い髪。くりっとした丸い目。
家がお金持ちで、武道やら剣道やら習わされ、成績はトップを保っている。
にっこり笑ったときの姿が可愛いと女子たちに人気で、弟系、可愛い系の男子としてみられているのだが、男子の前ではそんな姿を見せることがそうそうない。
「真白くーん!」
遠く、上の方から声が聞こえ、視線を上げると3年の女子生徒が手を振っていた。
「(またかよ…。)」
心の中で呟きながらにっこりと笑って手を振る。
すると女子生徒たちはきゃあきゃあと騒ぎながら廊下を歩いていった。
「相変わらずの人気ですなぁ。真白くん?」
真白の手を振る姿を見てか、クラスメイトの男子がにやにやしながら肩を叩いてきた。
「うっさいなぁ。お前もにっこりと笑って手振れよ。モテるぞ。」
「いやいや、俺は可愛い系ではないからな。お前がやるから女子がきゃあきゃあ言うんだよ。友達万歳!」
「(アホくさ…。)」
はあ、とため息をつき、グラウンドへと視線を向ける。
真夏の日差しの中、同じ学年の男子たちが走り回っている。
今はまだ休み時間なのだけれど、今日は体育の教師が腹痛を起こしたとかで自由になっているから、このまま遊び続けるだけだろう。
当たり前の日常。当たり前の世界。
何も面白くない。
真白は、この世界が嫌いだった。
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