第七話 最後の大仕事

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デパートの広いフードコーナーで、ファストフードのポテトを広げながら5人はひと息ついていた。 ソウカから報告を受けた4人だが、カズマの対応があまり理解できず頭を悩ませている。 ―――5年前に手をかけた女を覚えているか?覚えがあるなら今夜21時、その女の死んだ場所で待つ そんなメッセージを読ませたのだが、理解したという言葉がどういう意味の返答だと捉えたらいいのか難しかった。 だが間違いなく、今日で全ての決着がつく。 充分な腹ごしらえをとポテトを食べまくっていたのだが、明らかにリンネが半泣き状態である。 「ちょっと前のビュッフェの傷癒えてないよ、僕」 「ポテトくらい安いもんだろ?」 「いや、コウタくん。流石に人数分はクーポン使わないと痛いよ……」 「それより今日の事だ」 「そういえば兄さんから詳しく聞いてないんですけど、大藤カズマが手をかけた女性ってどこで亡くなったんですか?」 サアヤの素朴な疑問に、ソウカの顔が難しい表情へと変わる。 幼き日の消えないあの時の記憶。 姉を失った、雪の降る寒い日。 雪が赤く染まる最悪の光景が頭をよぎるそこは、その女が死んだ場所。 「この町で1番大きい橋を知ってるか?」 「あの町の少し外れにある、赤い橋だ。あの橋の下に、亡くなった女性がいた」 姉と同じ死に場所にソウカは近づきたくなかったが、それでも決着をつけるにはその場所が相応しいと判断したのだ。
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