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ポテトを頬張るミスズが幸せそうな表情を浮かべ、これから大仕事が待ってるとは思えない空気にコウタは思わず吹き出す。
「ミスズ、頬張りすぎだ」
「だって私、こんなもの食べた事なくてつい……」
「ミスズちゃんの家ってお嬢様なの?」
「いえ、親は厳しいですけど普通の家庭ですよ?」
「もしかして執事とかいちゃったりする?」
面白半分で質問してみたが、ミスズが満面の笑顔で「はい!」と答えてからリンネの顔が思い切り引きつる。
それを世間では割とお嬢様に見られるんだぞと言わんばかりの呆れ顔でポテトを食べるコウタの前に、ミスズは忘れてたと慌てて鞄から物を取り出した。
「これ、ソウカさんから頼まれてた物です!」
「あぁ、ありがとう。しかし、ボイスレコーダーまで持ってるとは思わなかったぞ」
「父の仕事で使うんで、何台か家にあるんですよ」
ポケットに入る小型のボイスレコーダーは、上手く警察に突き出せた時の証拠になるとミスズに頼んでいた。
全て事が上手く運ぶことを祈り、もう1度流れを確認する。
「まず会うのは僕1人でだ。みんなは周囲で待機してて欲しい」
「大藤カズマ本人だけで姿を現すと思うかい?」
「そこはあまり期待していないが、何かあった時の為のリンネだ」
「僕、あまり腕っぷしには自信ないけどある程度はやってみるよ」
「もし上手くいかなかったら、ミスズはまず警察に通報して欲しい」
「私達だけじゃ解決できない事があったら困るもんね、わかった」
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