第一話 出られない深夜の学校

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深夜3時。 眠い目を擦るコウタと、清々しい顔で昇降口に立つソウカの姿があった。 扉に手をかけると、開かなかった扉があっさりと開いた。 学校に存在した人物を、無事発見したからだろう。 暖かい空気が扉の隙間から入ったと同時に、外にようやく出られるという安堵感に包まれる。 「やっと出られる。ありがとうな、ソウカ」 「僕は何もしてない。探偵らしい事、何一つ見せられてないしな」 「あー別にそれは興味ない」 「助手のくせに、無関心とはなってないぞ」 「だーかーら助手じゃねーっつーの!」 少しでも見直した自分が間違いだ。 やはりコウタは、ソウカとはそりが合わないと思った。 しかし心の中では、ちゃんと感謝をしている。 それを真面目に伝えるのが、ちょっと照れ臭いだけだ。 昇降口を出て、正門まで歩く。 学校の正門までは、一直線の道。 いつも通る道なのに、何故か今日は遠く感じた。 「なぁ……」 「何だ?コウタ」 「何で探偵なんかやってんだよ。家業だって言っても、無理してやる必要もないだろ」 推理もできなさそうな、暗い影のような少女。 探偵みたいな、表立った事が苦手そうな性格。 コウタはソウカを良く知らない。 だけど、聞かずにいられなかった。 隣を見たコウタは、少し微笑むソウカの顔を見る。 「僕は、後悔してないよ」 2、3歩前を歩き、ソウカは振り返った。 キョトンとした顔で見つめるコウタに向かい、手を差し出す。
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