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「僕の助手に、改めてならないか?」
ならない、そう答えようと思っていた。
だけどコウタは、口を閉ざしたまま。
別にソウカに気がある訳ではない。
今日のソウカを見て、少し思ったのだ。
何故探偵をやっているのか?
幽霊専門の探偵とは何か?
ゴクリと生唾を呑み、言葉を探す。
だがそうしている間に、ソウカは噴き出し笑い始めた。
「な、何だよ」
「悩んで一喜一憂している顔が、ちょっと面白くてな。それで、決まったのか?」
ソウカの言葉を聞いて微笑むコウタに、もう迷いは無かった。
「お前に興味が湧いた。助手の件は……まぁ考えとくさ」
コウタは歩み寄り、ソウカと固い握手を交わす。
互いに笑顔を見せ、この事件は幕を下ろした。
宿題を持って帰ったコウタは結局間に合うはずもなく、提出は出来なかった。
だがソウカが事情を話し、親が呼び出しされる事は無くなる。
何故先生に説明してくれたんだ?
そう問いかけたコウタに
大事な助手だからな
と笑いながら答えた。
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