第一話 出られない深夜の学校

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とある街に存在する、水染(みなぞめ)中学校。 生徒数は街一番で、創立から既に80年以上は経っている古い学校だ。 昨年改装工事も行われ、見た目は普通に綺麗である。 しかしその工事が行われてから、ある噂が広まった。 『夜に何故か鍵の開いてる学校に入ると、出られなくなるんだって』 少年は1人、校舎の前に佇んでいた。 時刻は午前0時。 明日提出の宿題を、こんな時間に取りに来たのだ。 もっと早くに気付くべきだったのだが、ゲームばかりしてて気付かなかったのも悪い。 いつもと雰囲気の違う学校に、思わず溜息つく。 何してるんだろうと自分自身に呆れながら、少年は懐中電灯を持って校舎の扉に手をかける。 それは、何の躊躇いもなく開いた。 施錠されてるはずの扉が、普通に開くのもおかしい。 もう何度目か数えてない程、わからない溜息をついた。 だがさらに溜息をつく羽目になったのは、真っ暗な職員室。 鍵を取ろうと職員室に向かったのだが、そこには鍵と一緒に誰か居た。 「おっ、奇遇ですな赤羽(あかばね)くん」 呆然とする少年、赤羽コウタ。 その名を呼んだのは、クラスメイトの蒼樹(あおき)ソウカだった。
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