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とある街に存在する、水染中学校。
生徒数は街一番で、創立から既に80年以上は経っている古い学校だ。
昨年改装工事も行われ、見た目は普通に綺麗である。
しかしその工事が行われてから、ある噂が広まった。
『夜に何故か鍵の開いてる学校に入ると、出られなくなるんだって』
少年は1人、校舎の前に佇んでいた。
時刻は午前0時。
明日提出の宿題を、こんな時間に取りに来たのだ。
もっと早くに気付くべきだったのだが、ゲームばかりしてて気付かなかったのも悪い。
いつもと雰囲気の違う学校に、思わず溜息つく。
何してるんだろうと自分自身に呆れながら、少年は懐中電灯を持って校舎の扉に手をかける。
それは、何の躊躇いもなく開いた。
施錠されてるはずの扉が、普通に開くのもおかしい。
もう何度目か数えてない程、わからない溜息をついた。
だがさらに溜息をつく羽目になったのは、真っ暗な職員室。
鍵を取ろうと職員室に向かったのだが、そこには鍵と一緒に誰か居た。
「おっ、奇遇ですな赤羽くん」
呆然とする少年、赤羽コウタ。
その名を呼んだのは、クラスメイトの蒼樹ソウカだった。
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