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オレは席順表を確認、例の主人公席のヤツの顔を見る。――権田原公一、顔は知らないがコイツが主人公候補なのだろう。
……ん? ……運がいいというか、同じ中学だった――新井純菜もその右隣の席だ。これは2人が近づくって類いのラブコメなんだろうか?
放り込まれた世界が、日常系なのか非日常系なのかはオレたちサブキャラにはわからない。わかっているのは、主人公に付かず離れずに情報を教えてやったり、会話をしたりすること。
公一って野郎、あくびしながら話を聴いていない平凡そうなヤツだ。不思議なことに、こーゆーヤツが主人公だったりするのがラノベの大半。
入学初日の自己紹介が終わったら、いよいよオレの情報収集の開始。新井のことは聴かれてもたいていのことは答えられるからまだいい。問題は公一本人の情報だ。
……公一と同じ中学のヤツがこの高校は極端に少ない。同じクラスに西ノ宮さんって小柄な女子はいたが、彼女は人見知りっぽいし聴き出すのは難しいだろう。目立った行動ができないのもサブキャラの困ったところである。オイ、作者! ヒントよこせ!
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