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そしたら偶然、犬、猿、雉に会うの。しかも奴ら『人の言葉』を喋ったから驚いた。コイツら捕まえてどっかに売り飛ばした方が鬼退治より稼げるんじゃね?
「桃太郎さん。桃太郎さん。お腰につけた吉備団子。1つ、わたしにくださいな」
歌うように喋る人語は、揃いも揃ってコレだけ。だから売るのはやめにした。別に情が入ったわけじゃない。
初対面の『俺の名前と持ち物』をどうしてコイツら知ってんだって思っただけ。……さては婆さんの仕業か? 助っ人なら人間よこせよ!
どーせ処理しなきゃいけないゴミ団子だったからくれてやった。なんでか知らないけど、3匹とも超感動してる。残飯なのに……餓死寸前だった?
「鬼退治に付いていきますっ!」
ちょっと待て! 俺は自分の目的を一言も喋ってない! コレで確定。完全に確定。――婆さん黒幕説確定。
ま……人語喋れるからコミュニケーションとれるし、3匹は弾除け代わりにはなるよ。……え? 動物の扱いが酷いって?
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