2人が本棚に入れています
本棚に追加
/55ページ
これもまた結構、昔の話。
俺は地元で漁師してたんだよ。みんなは俺のことを『浦島太郎』って呼んでた。
ある日、海岸に行くと近所のガキ達が亀をいじめてる……。俺も友達少ないから、コレ見て切なくなっちゃってね……。
「ゴラァ! いじめカッコわりーぞ! クソガキがッ!」
と、我ながら大人気ないセリフで、ガキ達を追っ払って亀を助けてやったんだ。そしたらこの亀が『人語』喋りやがるの。別にそこに問題はない。少ない友達の1人『桃ちゃん』から喋る動物の話は聴いてたから。
なんだよー。『ぴーちぼーい』のパクりかよ? ……とか言わない。同じ作者なんだから、せめて「二番煎じ」って言ってほしい。
で、その亀のセリフ。
「私を助けてくれてありがとうございます。浦島さん。一緒に竜宮城に行ってみませんか?」
はぁ? ……まず、俺は名前を名乗ってない。そして『竜宮城』ってなんだよ!? ……亀の話だと『楽園』らしいけど、亀を助けただけでそんな所行けるって上手い話あるか?
最初のコメントを投稿しよう!