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小心者の俺は断ろうとした――でも、亀の瞳がウルウルしてたんで、
「み……3日だけだからなっ!」
ちょっとツンデレっぽく聞こえたのは恥ずかしい……。
亀の上に乗って竜宮城へ。……って海の中じゃねーか!? ……死ぬ……マジ死んじゃう……。
◆◆◆
気が付いたら竜宮城。海の中なのに酸素ボンベなくても呼吸できるってココは地球か?
しかも城主の乙姫さんは美人だし、鯛や平目は踊ってくれるし、酒や肴も旨いし、これでタダってんだから……恐ろしいっ!
絶対に後で乙姫の後ろから、黒服を着たヤバ目のお兄さん達に連行される……『ぼったくり』だよなーコレ!?
料金が怖かった俺は乙姫に質問してみる。彼女の返事は……
「お金ならいりません。滞在もご自由に。帰りに『玉手箱』をお土産として用意しておりますので、お持ち帰り下さい――ただし、決して開けぬように――」
だが、リア充とは縁遠い俺はそんな話を信用しない。乙姫が超美人なのも不信感に拍車をかけた。
彼女に別れを告げ、また亀に乗って地上に戻ってくる。
◆◆◆
俺は亀に質問した。
「なんで俺の名前を知ってた?」
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