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【クーギス家】
くーぎすけ:かつてはイーセ宙域属領『シズマ恒星群』を統治する独立管領会議『シズマ十三人衆』を務めていた一族。元はヤヴァルト銀河皇国の地方執政官であったが、イーセ宙域総督のキルバルター家が星大名化した際に、臣下となる事を拒否し、他の十二の執政官と共に独立管領として行動する事を宣した。
当時から海洋惑星を多数有する『シズマ恒星群』は、豊富な水産資源と多量の貨物宇宙船を所有した流通業で栄えており、属領でありながら、最大時にはイーセ宙域のGNPの22パーセントを占めるほどであった。
これがやがて、キルバルター家にとっての懸念材料となる。皇国歴1520年代、イーセ宙域国はキルバルター家の経済政策の失敗によりハイパーインフレを引き起こし、財政破綻の危機に陥った。この時キルバルター家が目論んだのが、経済危機の中でも比較的安定した経済状態を維持しているシズマ恒星群を直轄地にする事で、財政の屋台骨を立て直す事である。
当然そのような要求をシズマ十三人衆が受け入れるはずはなく、筆頭のクーギス家は特に強硬に拒絶し、シズマ恒星群の宙域独立も口にするようになっていった。
それに対し、キルバルター家は調略による十三人衆の切り崩しを謀り、かねてから独断的傾向を強めていたクーギス家の態度に不満を持つ独立管領七家に、クーギス家が独立を主張するのはこの機会を利用し、シズマ恒星群を宙域国に格上げ、自らを星大名とする独裁体制を確立しようとしている事、そしてそうなれば逆にイーセ宙域全体の支配を狙って、大きな戦乱が起きるであろう事を吹聴。一方でキルバルター家直轄地となれば、税率は上がるが事実上半独立は維持される上に、直参としての交易特権が与えられると説いた。
これにより日和見的立場を取っていた残りの独立管領も勢いに呑まれ、独立管領十二家は次々にクーギス家に宣戦。彼等が招き入れたキルバルター軍に敗北したクーギス家は、シズマ恒星群を逐われる事となったのである。
【この項おわり】
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