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【水棲ラペジラル人】
すいせいらぺじらるじん。シグシーマ銀河系に存在するヒューマノイド種族の一つ。水棲ラペジラル人と陸棲ラペジラル人の二種がある。
水棲ラペジラル人は青い肌を持ち、ヒレ状になった耳の裏側に呼吸用のエラを有する。身長は140~150センチ。
一方の陸棲ラペジラル人(別項)は薄いカーキ色もしくはペールオレンジ色をしており、耳のヒレは小さく、その裏側のエラはない。身長は160~180センチ。
陸棲ラペジラル人は水棲ラペジラル人が遺伝子操作によって陸棲化したもので、銀河皇国において単に“ラペジラル人”と呼ばれるのは、一般的に陸棲ラペジラル人である。
ラペジラル星人は元来、水棲であり、かつてはシグシーマ銀河系中央部付近に位置していた、『ラパーザ』星系の第三惑星『ラペルザ』の住民であった。
『ラペルザ』は地表の97パーセント以上が海で覆われた星で、そこに住むラペジラル星人は海中に都市を建設し、高度な文明を発達させていた。
しかも実際にはその文明の歴史はヤヴァルト銀河皇国よりも古く、早くから重力子を発見し、それを利用した技術の理論を確立させていたのである。ただ水棲という特性と人口増加率の低さから、重力子関連技術の実用化は為されないまま、宇宙開発についても星系内の探査機を幾つか打ち上げはしていたが、ラペジラル星人自身が惑星『ラペルザ』を離れて宇宙へ出る事はなかった。
ところが今より五百年ほど前、ラペジラルの科学者達は今後百年以内に惑星『ラペルザ』が崩壊する事を察知する。『ラペルザ』の固形化している内核が突如不安定になり、液状の外核と入り混じり始めたためである。
そのためラペジラル共和連邦政府は国家を挙げての銀河移住計画を立ち上げる。そして実用化への技術蓄積がない重力子航法は諦め、亜光速の世代型移民船を多数建造、海洋惑星を有する恒星系を求めながら旅立った。
ただその移民船が目的地に到着する頃には、ヤヴァルト銀河皇国が出現しており、目的地の幾つかはすでに銀河皇国の植民地となっていた。そこで銀河皇国は特例として重力子航法を持たないラペジラル星人との接触を行い、彼等の居留地建設を容認する事と、交易以外の内政は不干渉という事で共存するようになったのである。
【この項おわり】
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