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1420年代から顕著になった宙域ブロック経済圏の続出で、超空間転移ゲートと通信サーバーの使用料が減少し、その膨大な収入に肥大化していた皇国中央星系群は、国家予算の編成に窮するようになる。
そこで皇国は減少した使用料の分を、各宙域からの税収の増額に繰り返し求めたが、先に述べた皇国方面軍の戦力を背景に、総督達はやがてこれも拒絶するようになった。
これに対し1436年、皇国は最も頑なに増税を拒絶する数個の宙域の超空間転移ゲート及び、超空間通信サーバーの稼動停止を含む、各種の経済制裁を実施。ついには一部宙域で、ゲートとサーバーを封鎖中の皇国中央派遣軍と、これを打開しようとする宙域方面軍が武力衝突を起こすに到る。
皇国中央軍は装備も優れ、戦力も強大であったが、各宙域で同時多発的に発生した武力衝突に戦力を分散され、双方とも決定的な決着を見ないまま、いたずらに年月を経ていった。
この緊張関係が緩和されたのが、1442年に宙域総督を『星大名』として貴族に列し、皇国への忠誠への引き換えに皇国中央の権限の一部を譲渡すると決定された、『ヤヴァルト銀河協約』であった。
この協約により各宙域と和解し、一応の安定を見たかに思えた銀河皇国だったが、それは長くは続かなかった。1451年に第38代星師皇サウター=クロン=ルダリクが崩御すると、その後継者を巡って今度は貴族間で争いが起きたのである。
『オーニンノーラ戦役』と呼ばれるこの内紛は、ヤヴァルト皇国中央星系群を戦場に、貴族を二分しておよそ十年間も続き、結果的にバムロス=クルス=アルススが第39代星師皇の座についたものの、超空間転移ゲートと超空間通信サーバーの約半数が戦闘によって機能を失われ、中央宙域は急激に弱体化した。
一方、中央宙域の混乱を静観しながら富国強兵に努めていた星大名達は、封建的思想回帰に軍事色をいっそう高めており、この皇国の弱体化を機に、勢力圏の拡大に動き始める。これが現在の銀河戦国時代のはじまりである。
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